Cross Talk
ハンディキャップの
視点があるからこそ
生まれる多様性の広がりを。
人事総務部 部長
箭内雅司
人事総務部 副主任
横森史也
多様性ある働き方が可能な職場をめざし、常に挑戦と変化をつづけるインヴァランス。今回は、身体的にハンディキャップのあるメンバーの働く環境についてのインタビュー対談を実施しました。話をしてくれたのは、人事総務部のメンバーとして車椅子で働きながら活躍している横森さんと、その上司の箭内さん。横森さんは車椅子で日々の業務に奮闘するだけでなく、車いすラグビーにも力を入れています。その努力が実って、日本代表強化指定選手に選出されました。そんな彼が活躍できる場を用意するインヴァランスでは、やはり環境の整備がテーマでした。リモートワーク体制を構築するなど「誰もが活躍できる会社」をめざした取り組みを、2人の対話を通じてお伝えしていきます。
箭内
横森さんは、はじめは第二新卒でインヴァランスに入社してくれたんですよね。
横森
そうですね、入社は2016年で最初は健常者として営業職で働いていました。しかし、その後事故に遭ってしまい、首の骨を骨折して脊髄を損傷。その結果、胸から下、上肢の大部分に麻痺が残る障害を負い、車椅子生活となりました。
箭内
大変な経験をされましたよね。私も人事として、様々な対応をしたので記憶に残っています。
横森
はい。会社や当時の社長、そして箭内さんには本当に支えていただきました。「営業じゃなくても働けるところはあるから、いつでも待っているから帰ってこい」という言葉をいただき、大きな励みになりました。入院している際も、病院まで箭内さんが定期的に面談に来てくださって。
箭内
そうですね。横森さんの復職に向けて、どのような仕事なら活躍してもらえそうか。どのようなサポートが必要かを、社会福祉士の方と一緒に検討しました。当時はリモートワークが一般的ではなかったのですが、横森くんのためにその制度を新たに作り、在宅での勤務を可能にしましたね。
横森
そこまでしていただけるのは、本当に「ありがたい」の一言でした。その分、自分も仕事でお返ししなければと、心を新たにしたことを覚えています。
箭内
私たちも、初めてのことばかりで手探りしながらのことばかりでしたが、そのように伝わってくれていたなら良かったです。今は復帰をして、人事総務部で戦力として活躍をしてくれているので、こちらこそありがたいですね。
横森
もともとは営業でしたので、経験のない人事総務部。働く場を用意してもらえたのは感謝です。現在は人事総務部で労務関連の業務を担当しており、社員の勤怠管理や社内環境の改善・維持などが主な仕事です。リモートワークを中心とさせてもらいつつ、週に1回は出社しています。
箭内
それだけじゃなく、横森さんと言えば、やっぱりスポーツの話もぜひ皆さんに伝えたいですよね。
横森
はい、仕事以外では車いすラグビーの選手としても活動していまして、週3回の練習を行い、2023年9月に日本代表強化指定選手に選出されました。2028年のロサンゼルスパラリンピックで日本代表として出場したいと思い、奮闘中です。
箭内
すばらしいですよね。会社としては、横森さんの車いすラグビーの活動も全面的にサポートしています。練習のための時間確保をしたり体調管理のために、柔軟な勤務体制を用意するなど、仕事とスポーツの両立ができるよう配慮しています。
横森
たいへん助かっています。ありがとうございます。労務の観点からも感じることですが、インヴァランスは多様な働き方についての柔軟性がとても高い会社だと感じています。
箭内
そうですね。障がいをもった方に限らず、様々な立場に置かれた社員一人ひとりの状況に合わせて、柔軟に対応することを心がけています。たとえば、子育て中の社員のための「子ども休暇」、介護が必要な家族がいる社員のための「ファミリーケア休暇」などを設けています。また、時短勤務制度や、ベビーシッター費用の補助なども行っています。
横森
そうですね。とても助かっているという声を社員からももらいます。
箭内
ただ、大切なのは、制度をつくるだけでなく、実際に利用しやすい雰囲気をつくること。社員同士が互いの状況を理解し、支え合える文化を醸成することに力を入れていきたいと思っています。
横森
私自身、会社の受け入れ体制には本当に感謝しています。たとえば私の場合、気温の変化や環境の変化で体調を崩しやすい特徴があるのですが、在宅勤務のお陰で調整がしやすくなり、働きやすい環境が整いました。今後、さらに会社として多様性ある働き方に対して取り組みを広げていく予定はありますか?
箭内
はい、インヴァランスのVALUEにもあるTRY&CHANGEの精神で、常に変化と進化を続けていきたいと考えています。たとえば、LGBTQの方や外国籍の方の雇用についても体制を整えていく必要があると認識しています。社会やお客様の多様化に伴って、当然我々も時代に合わせた変容を遂げる必要がありますよね。そんなときこそ、横森さんのような当事者の視点を活かして、より良い制度や環境づくりを進めていきたいですね。
横森
はい、私も将来的には人事の仕事を通じて、障がいを持つ方だけでなく、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が働きやすい環境づくりをしていきたいと考えています。現在、人事総務部で基本的な業務を学んでいますが、経験を積んで、多様性のある職場づくりに積極的に関わっていければいいですね。
箭内
そうですね。横森さんには将来的には人事部門で中心的な役割を担ってもらいたいと考えています。私たちには気づきにくい課題にも気づける視点を持っているので、非常に貴重だと思っています。
横森
ありがとうございます。まずは自分自身が安定して働けるようになることが第一歩ですが、自分の立場を活かせる分野で貢献していきたいですね。
箭内
私たちがめざしているのは、「誰もが活躍できる」職場です。障がいの有無、性別、年齢、国籍など、個人の特性に関わらず、その人の能力を最大限に発揮できる環境をつくることが重要だと考えています。そのためには、制度面の整備はもちろん、社員一人ひとりの意識改革も必要です。多様性を受け入れ、互いを尊重し合える文化を築くことが、会社全体の成長にもつながると信じています。
横森
私自身、インヴァランスで働く中で、本当に多くの方々に支えられてきました。それは単に制度があるからというだけでなく、周りの社員の方々の理解と協力があってこそだと感じています。人事の仕事を通じて、多様性を尊重する文化をさらに強化していくこと。そして車いすラグビー選手として活躍することでも、広告塔のような形で会社に恩返しができたらと思っています。
箭内
いいですね、応援していますよ。今日はありがとうございました。
横森
ありがとうございます。同じ部署の一員として引き続きよろしくお願いします。